毎日同じような日々が過ぎていく中、あの強烈な思い出は今でも私の頭と身体の中にねっとりと染み付いています。
あれは2年前、教員として働いていた頃(今もですが)の事。私も49歳とベテランの域に達し、公私ともに一段落ついた頃でした。子供も一人前になり、家では主人とほぼ二人で暮らしていました。
転機が訪れたのは、春..異動で、民間会社の研修を受けることになり、八月の一ヶ月間地元の会社に出向く事となりました。
私は特に希望もなく、斡旋された所に行くつもりでした。数日後、指定された所は漁業関係の会社で、地元ではそこそこ大きな会社でした。
開始日の前に会社の社長さん宛に電話をして、挨拶のために平日、会社に向かいました。
会社の玄関を開けて、中に入ると従業員さんのものと思われる机が6つ、私は
「さほど大きくない会社なのね..」
と、失礼な事を考えつつ一人の従業員の方に社長さんに面会をする旨を伝えました。
パーテーションで仕切られたラウンジのソファで待つように言われると、ほどなく男の従業員の方がお茶を持って来てくれました。あまり接客をした事のないような感じで、
「どうぞ。ちょっと待ってて下さい。」
とだけ言うと、さっと仕事に戻られました。
漁業関係というだけあって、その方も大柄で浅黒く、たくましい海の男。という感じでした。
5分ほどソファに座っていると、奥の社長室の扉が開き社長さんと見られる方が来られました。年齢は私より7、8歳上くらい..60前くらいに見えました。
さきほどの従業員の方よりさらに大きな体で、腕は太い木の幹のようでした。顔は細めの目で、丸型、髪の毛はほとんどスキンヘッドに近い頭で、少し髭がありました。見るからに怖そうで、荒らそうな感じでした。
「お待たせしました。社長の〇〇です。ようこそいらっしゃいました。〇〇先生ですね。先日はお電話だけで失礼しました。」
と言いながら名刺を頂きました。私はドキドキしながら、
「いえ、そんな私こそお忙しいところお邪魔しまして、すいませんでした。〇〇と申します。よろしくお願いします。」
と言うのがやっとでした。そして、必要な書類を差し出すと、
「あ、略歴書類だね。お預かりします。」
と言いながら中身を確認され、
「学校の先生かぁ、大変ですね毎日。〇〇 由紀先生..年齢は..いやぁ、とても若く見える!
ご結婚されてて、自宅からここまで通勤という事になりますね?」
と尋ねられました。私は社長さんが言われた「若い」と言う言葉だけ頭に残ってて、しどろもどろのお返事しかできませんでした。何を話したかあまり覚えてませんが、社長さんは風貌に似合わず、とても穏やかで優しい方だな..と感じました。
家に帰ってから、主人に今日の事を話すと共感してくれて、応援してくれました。
次の日、ちょっと早めに家を出て出社すると、社長さんはもういらしてました。
「おはようございます! 今日からよろしくお願いします。」
「おはようございます。こちらこそよろしく頼みますね。まぁ仕事といっても書類整理とかハンコ押しとか..あとは、その時に考えよう。」
そんな会話をしながら、社員の皆さんに紹介され、挨拶が終わると皆さんすぐに会社を出て現場に行かれました。会社には社長さんと私ともう一人の事務処理の男性の方。
私は事務の補助という形で、書類の仕分けを任されました。そんな日が何日か続き、仕事や環境にも慣れて来た頃、社長さんが
「先生も、もう慣れてきたろ?でも事務所ばかりじゃ退屈するだろうから、今日は俺についてきてもらおうかな。」
と言われました。
「はい!」
私は外に出られる嬉しさに心が踊りました。
その日は午前中から社長さんの車で漁港事務所や港を回り、組合に挨拶に伺いました。
行く先々で、
「あれ?社長、新しい奥さん?」
とか
「へぇ、美人さん連れて!」
などとからかわれました。
私はスタイルもさほど良くなく、胸もそんなに大きくありません。もうアラフィフ体型になりつつあるのに、でもそんな事言われるととても嬉しく感じました。女ですから..
それでも、若い頃は松田聖子に似てるとよく言われ、声もよくかけられました。恥ずかしい話..痴漢にも何度となくあいました。数年前、酔った同僚から
「いやぁ、〇〇先生だったら一晩お願いしたいなぁ。何と言ってもお尻と腰が男を誘ってるもん。」
と言われた事もありました。その場は笑ってスルーしていましたが、内心とてもドキドキして嬉しかった事を思い出しました。
そんなこんなで、外回りをしていると、もうお昼になり社長さんと一緒に昼食をとることになりました。ちょっと洒落たレストランに入りランチを済ませて、少しゆっくりできるコーヒーショップに立ち寄りました。もうすでにガードが降りてしまって、私は社長さんに
「あの、失礼ですが、さきほど新しい奥様とかおっしゃってましたが、社長さん奥様は..?」
と尋ねました。社長さんは
「あぁ、五年前亡くなってね。子供達はみんな独立、遠くに行ってるんだよ。だから家じゃ一人。」
と笑顔で答えてくれました。
「ええ? じゃあ、お家のこと全部社長さんお一人で?」
「たまに家政婦さんきてくれるけど、ほとんど頼まなくて、自分でやってるよ。洗濯も掃除もね。」
「社長さんでしたら、どなたかいい人いらっしゃいませんか? 」
などと言ってしまって後悔して
「すいません!立ち入った事を.。」
と言うと
「いやいや、なんだか難しくて、なかなかそこまでね〜。」
と笑顔で言われました。
すると、少し間を置いて、
「先生みたいな人だったらなぁ..いいなぁ。」
とポツリと呟かれました。私はびっくりと同時にドキドキして、
「そんな。もっと若くて綺麗な方いらっしゃいますよ。社長さんなら!」
と返しました。
しばらく二人とも無言でした..
「さ、そろそろ戻ろうか。」
「はい。」
戻りの車の中もなんだか気恥ずかしくて、なかなか会話が続きませんでした。会社に戻ると、社長さんが、
「そうだ。先生の歓迎会開かないと!長引いてしまって申し訳ない。」
そう言うと、男性従業員の方がお店を押さえるように言われ、早速日時が決まりました。
人数も10人ほど、私以外は皆さん男性ですので、すぐに場所が決まりました。
歓迎会当日、蒸し暑い梅雨の日..私はノースリーブのサマーニットに少しタイトなスカート、ほんの少しだけ、若作りをして出向きました。
席は社長さんの隣、一通りの挨拶と紹介が終わって宴も終わりに近づいてきとところ、二次会に行く事になりました。
今だから冷静に思い出せますが、私を除いてみんな男性..年齢も皆私に近く、まだまだ精力的な方々ばかり..私は皆さんの視線を感じていました..
特に隣に座っていた社長さんの..でも、皆さん、かなりお酒を飲まれて、酔っていたのでそれも仕方ないかな..などと思っていました。私のスカートの裾辺りから胸の付近まで..特にニットだったので、胸の形がくっきりと出ていて..
その時、なんだか妙な気持ちになりました。見られる快感? 多くの男性からそんな目で見られる喜びのような..そんな中、二次会に行く途中、社長さんが酔って手をつないできました。ドキッとしましたが社長さん、フラフラしていらしたので、私も握り返してお店まで歩いて行きました。
「久しぶりに女性と手を繋ぐな。いいもんだ。」
「私でよろしければ..」
そんな会話をしながら二、三曲歌い、皆さん酔って寝る方も増えてきたので、タクシーでそれぞれ帰られて行きました。社長さんもかなり酔ってらしたので、タクシーに乗せて自宅まで帰るようにお願いをしました。
「すまんな、先生。ちょっと調子に乗って飲みすぎた。先生はあまり飲まんのかね?」
「はい。もともと弱くてちょっと飲んだら真っ赤になるんです。社長さん大丈夫ですか?」
「ああ、俺は大丈夫。そうか、いや、お茶ばかりだったから無理に勧めなかったけど、今度俺の家で食事でもしような。」
半ば強引なお誘いでしたが、私はすぐに
「はい。楽しみにしています。」
と答えました。
タクシーが社長さんの自宅に着くと玄関まで付き添ってドアを開けるのを手伝いました。暗くてよくわかりませんでしたが、かなり広く新しいお宅でした。社長さんが靴を脱ぐのを確認してから、
「今日はありがとうございました。とても楽しかったです。ゆっくり休まれて下さいね。」
と声をかけると
「俺も楽しかった。また先生と飲みたいぞ。今日はありがとう。気をつけて帰ってな。」
とタクシー代一万円を渡されました。
「こんなに、多いです。」
と言うまもなく、社長さんは部屋の奥へと行かれました。私は待たせていたタクシーに乗って、自宅へ帰りました。
ひょっとしたら、この時私は何かを期待していたのかもしれません..少し寂しくて、ポカっと穴が空いたような気分になったのです。
それから二〜三日過ぎて、いつもの会社業務をしていると、朝から社長さんの姿が見られませんでした。従業員の方に尋ねると昨日、港で丸一日、外で作業をしていて軽い熱中症になってしまい、今日は自宅で寝ていると聞かされました。
私は仕事中も心配で、一人きりなのに、食事は?
お風呂は?などと色々考えてしまいました。
お昼が過ぎて、お休みの時間に社長さんから電話がかかってきて、今日中にある書類を持って来て欲しいとの事でした。とは言っても皆さん出払っていて、事務長さんから帰りに寄ってくれないかと頼まれました。私はもちろん了承しました。
少し早めに会社を出て、社長さんの自宅まで車で行きました。駐車場が分からず、社長さんに電話をして車を止め、大きな門扉を開けると、大きな玄関口がありました。インターフォンを鳴らすと
「ああ、先生か? 今出られないから、遠慮なく入って来てくれ。俺はリビングにいるから。玄関から真っ直ぐ歩いておいで。」
と言われました。玄関は鍵もかけてなくて、そのまま靴を脱いでスリッパを履き、お邪魔しました。
「失礼します。」
私は恐る恐る廊下を歩いて進みながら、"なんて広いお宅かしら.."と思いつつ、社長さんがいるであろうリビングまで歩いて行きました。廊下も綺麗に掃除されてピカピカでしたが、独り住まいという事もあって、どこか寂しい感じがしました。
「あぁ。先生、どうもありがとう。わざわざ届けてくれて。」
「いえ、帰る道の途中ですから全然平気です。」
と答えたのですが、リビングには敷布団とタオルケットを腰までかけて上半身は裸の社長さんが体を起こして待っていました。
私はちょっとびっくりしてしまい、
「あ、入っても..?」
と聞きました。社長さんは、
「あぁ、すまんなぁ。こんな格好で、ずっと寝てたから体を拭こうかと思って。」
タオルケットの隙間から見える社長さんはパンツだけの様子でした..でも、少し疲れているように見えました。
「あ、これ書類です。それと、大丈夫ですか?
熱中症。」
「おぉ、もう大丈夫。さっき昼も食べたし、食欲もある。ただ、風呂に入ってなかったから気持ち悪くてな。それで..」
「ふふ、よかった。安心しました。でも、ちゃんと食べてるんですか?」
「あぁ、出前を取ってしっかり食べた。」
「栄養のあるものとらないと..今度、私が作りますね。」
「そりゃ嬉しい。是非頼むな!」
そんな会話をしていると、ふと、キッチンの流し場にたまっていた洗い物を思い出して、
「あ、少し寝てて下さい。私、ちょっと洗い物片付けてきますから。」
と言うと、
「いや、悪いから。いいよ後で自分でやるよ。」
と言われてましたが、そのままキッチンに向かって洗い物をして、食器を片付けて戻ってきました。社長さんは体を起こして、
「ありがとう。洗い物までしてもらって..」
と恐縮しながら、濡れタオルで体を拭いていました。明るい所で社長さんの体を見ると、日に焼けて黒く、筋肉隆々の体..胸板も厚く、手もゴツゴツしていました。体の前を拭き終わって、背中に手を回そうとしていたので、私は思わず、
「あ、背中、拭きましょうか?」
と言いました。社長さんは
「え?いいのかい? 助かるけど..」
「いいんですよ。綺麗にしてあげます。」
私はそう言って、社長さんの後ろに回って背中を拭きはじめました。拭いているうちに、すごく硬くて広い背中を触っている事が嬉しく思えてきて、
「どうですか?気持ちいいですか?」
と聞くと社長さんは、
「もちろん..あぁ..ずっとしてもらっていたい。」
と目を閉じて呟いていました。
背中だけでなく、肩や脇腹も拭いていると少し下半身にかけてあるタオルケットがはだけて、社長さんのパンツが目に入りました..
「あ..大きくなってる..」
私は少し恥ずかしくなって、目を背けようと社長さんの左横に座りました。すると..